JEROBOAM JAPAN GRAVEL CHALLENGE 2021

JEROBOAM JAPAN GRAVEL CHALLENGE 2021

昨年は中止となったJEROBOAM JAPAN GRAVEL CHALLENGE。 2021年は昨年の企画と同様、日本らしい水田の景色が美しく広がる宮城県北部、加美町と大崎市を舞台に開催となった。 2019年に1年間をかけてルートの確認を行い、基本となる150kmのルートを作成。STANDARD 75km、MAGNUM 150km、そしてJEROBOAMとなる300kmは初日に165km、2日目に135kmと2日間に分けて合計300kmを走るルート設定とした。コンセプトは「グラベルバイクで走って気持ちの良いコース」だ。

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スタート/フィニッシュとなるメイン会場は加美町薬莱地区にあるペンションKAMIFUJI。ライフスタイルエリア、フードエリア、ミュージックエリア、メンテナンスエリアを盛り込みアウトドアフィールドという事を大いに感じながら、ゆっくりとした時間を過ごせる雰囲気のイベントスペースができあがった。

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28日金曜午後14時。
参加者が集まり始め、会場で受付を行っていく。ほとんどの参加者が初めて訪れる加美町。日差しが眩しく、Tシャツで過ごすのが丁度いい気候で出迎えた

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受付を終えたら翌日に控えたグラベルライドに備えてカーボローディングの時間だ。レストランKAMIFUJIではこの日、チャレンジャーのためにトマトソースパスタを用意。JEROBOAMのスタートは明朝5時。しっかりとカーボローディングを行って温泉でリラックスしたら早く寝るのが良いだろう。

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KAMIFUJIのスタッフは翌日の朝食となるおにぎり作りにとりかかっていた。地元加美町で収穫した米を地下水を使い炊き上げたご飯で作るおにぎりは何個でも食べられるくらい美味しい。

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午前3時30分を過ぎ、JEROBOAM300kmに挑戦する参加者が集まり始めた。まだ暗い中、朝のコーヒーで身体を目覚めさせる。朝食を食べたらライダーズミーティングを聞いてからスタートだ。

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APZ特設ステージに上がり、ラリーのスタートのように一人ずつスタートしていく。両脇に酒樽を飾った一ノ蔵ゲートを通る瞬間のワクワクドキドキがたまらない。

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300km初日、舗装のウォームアップを終えると牧草地を抜けるグラベルが始まる。平でまっすぐ山へと続くグラベルロード。壮大なグラベルチャレンジの幕開けだ。

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牧草地の次は深い森へと進む。開放的な雰囲気から一変して鬱蒼とした木々が生い茂る暗闇の中に入った。この道がどこに続くのか分からないという一種の不安に似た感覚が参加者を襲っていく

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300kmの参加者達が森を抜けていく頃、APZ特設ステージでは150kmの参加者達のスタートが始まっていた。曇り空で時折、小雨が降るコンディションの中、ワクワクドキドキの気分で一ノ蔵スタートゲートを抜けていく。

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標高500m程度という低山地帯を走る日本のJEROBOAM2021。朝方は10度前後だった気温も日が昇るにつれてグングンと上がってきた。小刻みに繰り返すアップダウンが参加者達の脚を攻撃していく。

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70kmを超える辺りに差し掛かると天気予報通りに雨が降り出してきた。路面がマッドコンディションに変化した事で慎重に走る参加者達。この日の走行距離のまだ半分にも満たない所でバイクは泥だらけになった。

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こけしで有名な鳴子の街で休憩をとった後、いよいよこの日の後半に入る。JEROBOAM JAPAN 第1回のハイライトとして参加者の胸に刻まられるであろう16%の勾配の登り坂が襲ってきたのだ。

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悶絶の表情を見せながら過ぎる参加者達。地面に脚を着こうとしたら力尽きて転倒する姿も見られた。まだ先は長いが、果たして完走できるのだろうか?一抹の不安がよぎる瞬間だ。

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国立音楽院宮崎キャンパスに設置された第2エイドステーション。ここからフィニッシュまで残り40km程度。 距離的には問題ない距離だが、何が待ち受けているか分からない。皆、エイドステーションでしっかりと補給を取って再スタートを切っていく。

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残り7km。薬莱山を間近にしたところで目の前には急勾配のグラベルが現れた。やっとフィニッシュに辿り着いたと思った直後に心が折れる。残りわずか。しかし、バイクは前に進まなくなった。

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グラベルを登り切ったら視界が広がり再び牧草地の中だ。森の中から抜け、開放的な気分になり記念撮影。薬莱山の形が絶妙。

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一ノ蔵ゲートを通って、APZステージに戻ってきた。後ろには夕暮れ間近の薬莱山が見える。力尽きた脚でしっかりと身体を支えながらの完走写真撮影。もう立ってはいられないという表情が美しい。

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この日の夕食は煮込みハンバーグ。しっかりとタンパク質の補給をして身体をケアする。一緒に走ってきた仲間と振り返る時間が心地良く流れていく。

30日日曜日 朝4時30分
前日に完走した参加者によるフィニッシュのサインをしたサインボードには朝の光が眩しく照り付けていた。

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300kmのJEROBOAM。この日は残り135kmの走行距離を設定。前日の疲れも残る中、挑戦者達が再び会場に集まってきた。

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スタートを前に朝ごはんのサンドイッチを食べる。表情も明るく、ライド2日目も快調に走れそうな雰囲気だ。

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135kmに挑戦するのは6人。前日走ったコースを、ほぼ逆回りしての135km。いったいどのような走りが見られるのか?

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スタート直後のグラベルを抜けたら、気持ちの良い水田地帯を走るロングストレートだ。晴れた朝、反射して水田に映る雲が美しく快調に飛ばしていく。

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水田地帯を走っていると、参加者達がまとまって集団で走る姿が見られるようになった。しばらく続いた舗装区間。走る速度も速く、さながらロードレースのようにも見える光景だ。これから始まる登りのグラベル区間が楽しみになる。

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集団から徐々に離れていくけれど、これはレースではなくグラベルチャレンジ。自分のペースで無事に楽しく走りきる事が重要。「宮城の森は楽しい」という感想がこぼれる。

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前日は時折激しい雨が降った山も、この日は終始晴れた天気に。木漏れ日によるコントラストが夏の山を感じさせペダリングも何故か軽く軽快に見えてきた。

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生活道路として使用されるグラベルは砂利がほどよく敷かれてグラベルバイクでの走行に醍醐味を感じる場所だ。

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この日のエイドステーションでは、ボランティアスタッフによる手作りチーズケーキが振舞われた。 その場でドリップされたコーヒーとチーズケーキ。エイドステーションから再スタートする時間を忘れて過ごしてしまう。

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ラスト20km。森のグラベルに入る。前日に走り見覚えのある場所を抜けていく参加者達。「知っている分ラクに感じた」というコースはゴールを前に思わず笑みがこぼれるくらい楽しい。

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薬莱山が見え、フィニッシュの一ノ蔵ゲートをくぐったら300kmのゴールだ。盛りだくさんのグラベル。最高のロケーション。汚れたバイク。「楽しかった」という感想が全てのフィニッシャーから漏れた。

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会場ではバンド演奏による心地の良い音楽が流れる。風と音色に心休まる休日のひと時。

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続々と参加者達がAPZステージに戻ってきた。満足度200%の笑顔。300kmという未踏の距離をグラベルチャレンジで走り切った満足度は走った者にしか分からない。

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