2019年12月。毎年の実家への帰省に合わせ、故郷の小学校遠足の定番である王城山に入る。元旦には町の恒例行事である初日の出登山も行われる小高い山は、いくつかの小学校校歌にも唄われ、日本中心の標として名所となっている。
JR飯田線辰野駅からほど近い辰野球場の脇から林道の起点が始まる。小学校に通っていたころは、未舗装のダートだったと思うが、現在では舗装され登りアプローチは比較的ラクに走る事ができる。
朝方まで降り続いた雨が上がってきた代わりに霧の中を登っていく。周囲には長野県の県木である白樺が所々にあり、長野県感を醸し出している。苔むした路面は舗装とは言うものの味わいがある。
東経137度、北緯36度。標高は1200mを超える日本中心。鶴ヶ峰にある日本の屋根展望台からは周囲の山並みがパノラマとして広がっている。ここからは、未舗装のダートの下りだが、この日は雪が残った林道を走っていくことになった。
雪道を前提に、EXPLOROには27.5x2.05インチのKENDA SABER をチョイスしておいた。雪が残る北斜面は日陰も多く、自動車による轍でできた箇所には凍結している可能性もある。慎重に下っていく。
轍に挟まれた路面は雪の状態もよく、凍結の可能性も減るため道の真ん中のラインをトレースしてく。
山をトラバースしながら下れるこの林道。見通しの良いコーナーも数多く、サマーシーズンはリズムの良い極上のダートライドが楽しめる。
林道終点の標。終点付近は観光名所である枝垂栗の自生地があり、冬場は渡り鳥を目当てに訪れる方も多いスポットだ。
林道を抜け、江戸時代には宿場町として栄えた小野地区に立ち寄る。現在でも当時の建物が残るエリアは外国からの観光客にも人気のスポット。古い木造建築物は探求から名前の付いたEXPLOROに相性が良い。
小野から次のポイントの川島地区までは畦道を繋いでいく。シーズンオフの畦道は多少のぬかるみがあるものの、草の丈も低く走りやすい。
舗装の登りを経て、横川の奥にる蛇石を訪れた。川に沿って縦に連なる岩の様がまるで大蛇という事で名づけられた景観は、美しく澄んだ川の流れと合わせ神秘的だ。
夏場はバーベキューや川遊びに訪れる人も多い横川だが、大晦日という事で人影も無く、ただ川の流れる音がするだけの空間。
横川の蛇石から町中心へと続く国道に繋がる道途中には、温泉と食事施設であるかやぶきの館がある。周辺の野山で遊んだあとは、温泉に入って帰路に。というのが林道ライドの定番だ。
実家からのループで走行距離は50km、獲得標高1000m。 JRの駅からもアプローチが良く、特急停車駅の中央本線岡谷駅を起点にしたとしても70km程度でルートが引ける林道だ。